もちっとした粘りと、シャキシャキした食感が魅力のれんこん。昔ながらの農具を使って手作業で掘り取り、泥付きのまま出荷されるため新鮮さも好評。9~5月頃まで全国に出荷されているが、冬場に最も味が良くなるため、年末年始の贈答用としても親しまれている。穴が空いているれんこんは、「見通しがよい」とされ、縁起物として、お節料理にもよく使われる。切り口が出ていないれんこんは、濡れた新聞紙にくるんでビニール袋に入れ冷蔵庫の野菜室へ。皮をむいたものは、変色防止にラップでしっかり包んで冷蔵庫で保存するのが良い。
約200年前、岩国でれんこんの栽培が始まりました。江戸時代、岩国は平地が不足し、海に近かったため、干拓事業を通じて綿栽培や稲作を行っていました。しかしながら、塩害のために作物の生育が妨げられていました。
そんな中、岩国領主である吉川公の命により、篤農家の村本三五郎が、岡山県から備中種のれんこん(種バス)を持ち帰りました。これを門前地区に植え付けると、れんこんは立派に成長しました。大正6年には、現在の主要品種である「白花種」が栽培され、尾津地区はれんこんの主要な生産地となりました。
温暖な気候、清らかで豊かな水、栄養分を含む土壌など、れんこん栽培に適した自然条件が整っています。そのため、現在では岩国市が中国地方最大のれんこんの産地として栄えています。