室町時代に、「外郎薬」が中国から伝わり生まれた菓子が外郎だといわれ、山口でも大内氏統治時代に作られるようになった。各地の外郎が米粉を使うのに対して、山口ではわらび粉や葛粉を使い小豆餡と混ぜて蒸すため、軽い口当たりが特徴。山口市内各店で販売。
和菓子の「外郎(ういろう)」は、名古屋や京都、小田原などが有名な産地とされています。特に、戦後の物資不足の時期において、名古屋は原料調達に奮闘し、和菓子の製造に取り組んで全国に広く販売されました。その名古屋の外郎は、米粉と砂糖を主成分にし、蒸して仕上げることでもちもちとした食感と重厚な重さが特徴的です。
一方で、山口県も「外郎」の産地として知られています。山口県の外郎は、ワラビ粉を使用することでブルブルとした弾力ともちもちとした食感が生まれています。地元では「おっとり」と表現される、独特のなめらかさも特徴の一つ。室町時代から愛されており、山口県の伝統的な銘菓として親しまれています。
これらの外郎は、日々のお茶うけとしてだけでなく、上品な甘さと独特の風味が評価され、お土産や引き出物などの贈答品としても広く利用されています。専門店や和菓子店では、抹茶や小豆、栗、ゆずなどを加えたバリエーションも販売されています。
外郎の作り方については、水に蜜とあんこを溶かし、小麦粉とワラビ粉を混ぜて、あんこを混ぜ込んでいく手順です。混ぜた生地をこし器でこし、型に流し込んで茹で小豆や茹で栗などを加え、蒸して固めます。固まったら、粗熱を取りながら自然に冷まし、急激な冷却は避けるようにしましょう。家庭で作る場合は、電子レンジで蒸しても良い方法です。
主な伝承地域:山口市
主な使用食材:ワラビ粉、あんこ