山口県には角島、秋吉台、錦帯橋などの観光スポット、関門海峡花火大会、萩焼まつり、山口七夕ちょうちんまつりなどの観光イベント、ういろう、瓦そば、夏みかん菓子などのご当地グルメがあります。
山口県は山陽地方の県で、かつて周防国と長門国であった土地は毛利家に支配されていました。江戸時代には長州藩と称して幕末の動乱を主導しています。山口県の県庁所在地は山口市ですが、県庁所在地を凌ぐ下関市、宇部市、周南市、岩国市といった都市があり、西の京都ともいわれます。
山口県は、歴史の中で様々な役割を担ってきた県で、飛鳥時代には百済復興戦争で破れたことをきっかけにして朝鮮式の山城が築かれ、奈良時代には日本で唯一の鋳銭所が置かれ、平安時代には源平合戦の決戦地となって壇ノ浦で平家が敗れました。
鎌倉時代には元寇への対策のために長門探題が設置され、室町時代には大内氏の支配によって西の京都といわれるほど繁栄し、戦国時代には毛利元就によって支配されます。幕末に長州藩といわれた山口県は、明治維新を主導した藩として名を馳せています。
宮本武蔵と佐々木小次郎の決闘の場所となった巌流島も山口県下関市の関門海峡にある島で、そのような歴史を刻んできた山口県は、歴史を足跡となる史跡や縁の場所が点在しており、歴史ファンにとっては魅力的な観光スポットがいっぱいです。
さらに山口県には国内最大の石灰岩で作られたカルスト台地を含み、秋芳洞など人気の観光スポットがあります。石灰岩で作られたカルスト台地は水が浸透して地下に鍾乳洞を作り秋芳洞や大正洞、景清穴、中尾洞といった鍾乳洞が存在しています。
秋芳洞は日本最大規模の鍾乳洞で、調査の結果総延長が約8500mになることが判明しています。秋芳洞は観光道が設置されて公開されており、石灰岩が作り出す不思議な空間を見ることができます。
歴史と豊かな自然だけでなく山口県は食や民芸品なども楽しむことができます。たらこを唐辛子で味付けした辛子明太子は、現在は博多や九州の名産品となっていますが、実は山口県下関市で生まれた食品です。
熱した瓦の上に茶そばと具を乗せた瓦そばといった驚く料理もあり、土産菓子として有名な淡雪もあり、茶人好みの器を焼く萩焼あり、山口県には様々な楽しみがあります。
秋吉台の山麓の地下100-200メートルにある東洋屈指の鍾乳洞。総延長10,300メートルの内、約1kmが一般観光ルートとして公開されている。鍾乳洞としては日本最大規模。洞奥の琴ヶ淵より洞口まで、約1kmにわたって地下川が流れ下っている。 洞口の高さ24メートル、横巾8メートルに達する。洞内の最も広い「千畳敷」は、幅80メートル、長さ175メートル、高低差35メートルの巨大な洞内空間ができている。 洞内の気温は、洞口が大きいために外気の影響を強く受け、洞口近くで気温5℃〜18℃、洞奥では四季を通じて16℃。 洞奥の天井には風穴と呼ばれる深さ90mの縦穴が地上まで延び、煙突効果によって冬季...»
錦帯橋は、山口県岩国市の錦川に架かる5連の木造アーチ橋です。この橋は日本三名橋や日本三大奇橋に数えられ、国の名勝に指定されています。 1673年に岩国藩主吉川広嘉によって建造され、全長193.3メートル、幅5.0メートルの構造は継手や仕口といった伝統的な組木の技術を駆使しており、釘を一切使用していない点が特徴です。 また、桜の名所としても知られ、吉香公園と共に日本さくら名所100選に選ばれています。 ...»
角島大橋は、離島に架かる橋として無料で渡れる一般道路の中では、日本屈指の長さ(1780m)を誇ります。特有のコバルトブルーの海士ヶ瀬をまたぎ、景観と調和した雄姿は、西長門海岸地域随一の景勝地です。 建設の歴史 角島大橋は1993年9月6日に着工し、2000年11月3日に開通しました。総工費は149億円で、山口県道276号角島神田線の一部として建設されました。かつて角島への交通手段は渡船が主でしたが、橋の完成により陸路で結ばれるようになりました。当初は旧豊北町の町道として建設され、道路構造令の第三種第四級で設計されたため、最高速度は40km/hに制限され、強風時には通行止めになることがありま...»
玄武岩の海蝕地形の岬に建つ神社。123基の朱色の鳥居が、100メートル以上に渡り並んでいて、鳥居の赤、日本海の青、周囲の草木の緑のコントラストが美しい。 断崖下の海蝕洞には、荒波が打ち付ける度に海水が中の空気と一緒に高く吹き上がる現象「龍宮の潮吹」が見られる。 地元の網元が枕元に現れた狐のお告げにより1955年に個人で建立した。 裏参道出口付近にある大鳥居の中央上部(高さ約5メートル)に設置された、「日本一入れづらい」とも言われる賽銭箱は、見事賽銭を投げ入れることができれば願いが叶うと言われている。...»
日本海に浮かぶ山角島の北西端、夢ケ崎に立つ石造の灯台。灯塔は総御影石造りで、日本に2基しかない無塗装の灯台の一つ。 「灯台の父」と呼ばれるイギリスの技師リチャード・ヘンリー・ブラントンの設計による最後の灯台で、日本海では初めての洋式灯台。1876年に石油灯で初点灯。 レンズは日本でも5箇所しかない特大のフレネルレンズで、第1等灯台に指定されている。 石造りの灯台としては日本で最も美しいとされている。 歴史的文化財的価値が高いAランクの保存灯台で、国の重要文化財に指定。日本の灯台50選、近代化遺産、土木学会選奨土木遺産にも選ばれている。 一般公開されている参観灯台で灯台内部の105段の...»
別府厳島神社の境内にあるコバルトブルーに染まった神秘と伝説の湧水池。池底まで透明で底が見えるため一見浅く見えるが、水深は約4メートルある。 秋吉台のカルスト台地に含まれ、石灰岩などの水に溶解しやすい岩石でできた台地に、雨水などによって溶食されてできたくぼ地(ドリーネ)。 ドリーネの池の底から湧水し、湧出量は毎秒約186リットル。水温は年間を通じて14度。 カルスト地帯の特有のカルシウム-炭酸水素塩の水質により、池の色が日差しの角度によりコバルトブルーやターコイズブルーに映る。 ミネラルを豊富に含んだ清冷な水は、給水所で飲むことができる。日本名水百選に選定されていて、生活用水の水源や、マ...»
横山の山頂に建つ1608年に作られた山城。岩国城は1600年の関が原の合戦後、岩国に国替えとなった吉川広家によって、6年半の歳月かけて築城された城で、4重6階の唐造りの天守だったが、築城後わずか7年で徳川幕府の一国一城令により取り壊された。 現在の天守は1962年、本丸南側に「天守構造図」という絵図を元に鉄筋コンクリート構造によって再建された。 桃山南蛮造りの天守閣内に、錦帯橋の精密模型、写真、武具や甲冑などを展示している。展望台になっていて、古い街並みや錦川に架かる錦帯橋、瀬戸内海に浮かぶ島々、遠くは四国の山並みを望むことができる。 山上と吉香公園のある山麓はロープウェイで結ばれている...»
明治維新の原動力となった吉田松陰を祀る神社で、1907年に門人である内閣総理大臣(初代、5代・7代、10代)を務めた伊藤博文らによって建立された。 1890年に松陰の実家・杉家の邸内に松陰の実兄が土蔵造りの小祠を建て祀った。松下村塾出身の伊藤博文と野村靖が中心となって、萩城内にあった鎮守・宮崎八幡の拝殿を移築して神社を創建。 現在の社殿は1955年に新しく建てられたもので、創建当時の土蔵造りの旧社殿は松下村塾での門人を祭る末社・松門神社となっている。 境内には松下村塾が現存している。この松下村塾において松陰は久坂玄瑞、高杉晋作、伊藤博文、吉田稔麿、入江九一、前原一誠、品川弥二郎、山田顕義...»
日本の地中海と呼ばれる瀬戸内海国立公園内にあり、フェニックスが茂る広く解放的なホワイトビーチ、ヤシの木の並木道等、南国ムードあふれる海水浴場。砂浜全体の形状から、「バナナビーチ」とも呼ばれている。 瀬戸内海に浮かぶ周防大島には、個性豊かな海水浴場が各所に点在していて、山口県内では最も早い海開きを迎える片添ヶ浜海水浴場は「瀬戸内のハワイ」。照りつける太陽のもとアロハな夏の海水浴。休憩所・脱衣所・シャワー・トイレあり、快水浴場百選と日本の水浴場88選に選ばれている。 周囲にはオートキャンプ場、片添ヶ浜温泉、リゾートホテルなどもあり、釣りやスポーツ、キャンプ、みかん狩りなど四季を通じて楽しめる。...»
東京ドーム約40個分(189ヘクタール)という広大な敷地を誇る、ときわ湖を中心に広がる総合レジャーランド。 園内は、春には3,500本の桜、初夏は約8万本の菖蒲やツツジ、アジサイ、秋には菊が見られ、冬には毎年イルミネーションイベントをおこなっていて、四季を通じて彩りを添えている。 野外彫刻が園内各所に常設展示されていて、その数は90点を超える。公園のシンボルであるペリカンなどの鳥類が常盤湖で飼育されている。 動物園、遊園地などが併設され、子どもから大人まで楽しめる。 国の登録記念物に登録されていて、NHKの「21世紀に残したい日本の風景」総合公園の部で1位に選ばれたほか、日本の都市公園...»
奇岩の並び立つ様子から「海上アルプス」とも呼ばれる、北長門海岸国定公園の代表的な景勝地。 島の周囲は約40キロメートル。本土とは約50メートル離れた最狭地点に青海大橋が架かり、車で渡れる。 東西北の三面は日本海の荒波を浴び、波浪に侵食されて断崖絶壁、洞門、石柱、岩礁などが16kmにわたって変化に富む豪壮雄大な景勝をつくり出している。 島の外周を一周することができる観光遊覧船が本土の仙崎港から発着。遊覧船では石柱の間をすり抜けたり、自然の洞門をくぐったり、荒波に揺られながら、迫力とスリル満点の海上からの絶景めぐりを体験できる。 日本百景に選定されている。国の名勝および天然記念物に指定され...»
学問の神様としてあがめられている菅原道真を祀った「日本最初の天満宮」。京都の北野天満宮、福岡の太宰府天満宮とともに日本の三天神といわれている。 本殿・幣殿・拝殿・春風楼は国の登録有形文化財に指定されている。宝物殿である歴史館には国の重要文化財9点など、約500点の宝物並びに多数の古典籍を収蔵。概要 防府天満宮(ほうふてんまんぐう)は、山口県防府市に位置する神社で、学問の神として知られる菅原道真を祀っています。この神社は、日本全国にある天満宮の中でも特に古い歴史を持ち、多くの参拝者が訪れる名所です。菅原道真が大宰府に左遷される途中、この地で亡くなったとされ、その霊を慰めるために創建されま...»
下関市と北九州市門司区の間の幅約700メートルの海峡。潮の干満により1日4回も潮流の向きが変わる。 航路として使える海面の幅は最狭部で約500メートルに過ぎず、S字に屈曲して見通しが悪いうえに潮流が速く、岩礁や暗礁も多い。 遭難は絶えないが、古来、本州と九州および日本とアジア大陸を結ぶ重要航路であり続けてきた。 今も日に大小約700隻の船が行き交い、風景を優しく彩る潮騒と汽笛の音は、環境庁選定「残したい日本の音風景百選」に選ばれている。 陸上交通では、海峡の狭さが故に、比較的早い段階から海底トンネルや橋が整備され、海底トンネル3本、橋1本の合わせて4本のトンネルと橋梁が本州と九州をつな...»
源平壇之浦の合戦(栄華を誇った平家が源氏に敗れて滅亡に至った最後の戦い)において、二位の尼に抱かれて入水された幼帝安徳天皇を祀った神社。平家一門を祀る塚があることでも有名。 859年に阿弥陀寺として創建、江戸時代までは安徳天皇御影堂といい、仏式により祀られていた。阿弥陀寺は『耳なし芳一』の舞台であったが、廃仏毀釈により神社となり現在に至る。 関門海峡を臨み、白壁に朱塗の水天門がある。境内には、平家一門の墓、小泉八雲の怪談で有名な耳なし芳一の芳一堂や、貴重な資料を展示した宝物殿などもある。夜はライトアップされる。 毎年5月には安徳幼帝を偲んで「先帝祭」が行われ、平家の女官の赤間神宮への参拝...»
1327年に開山された名寺。日本最古の禅寺様式を残した仏殿は、善福院釈迦堂とともに鎌倉時代の様式である禅宗様の唐様建築を代表するもので、国宝に指定されている。 1333年に後醍醐天皇の勅願寺となり、1336年には足利尊氏から寺領が寄進されるなど、朝野の尊崇を得て栄えた。 高杉晋作が挙兵した寺としても知られ、境内には馬上姿の晋作の銅像がある。明治維新に殉じた志士を供養するため、全国から寄せられた石が組まれた万骨塔がある。春は桜、秋は紅葉が美しい。 仏殿建立は柱の墨書により創建年より早い1320年と判明。入母屋造、檜皮葺き。一重裳階(もこし)付き。方三間の身舎の周囲に裳階をめぐらした形になる...»
放し飼いの動物たちをマイカーから観察する、サファリ形式の動物達を野生に近い状態で見ることができる動物園。 かわいい動物たちとのふれあい広場もある。 ジェットコースター、ゴーカートなどのある遊園地も併設。概要 秋吉台自然動物公園サファリランド(あきよしだいしぜんどうぶつこうえんサファリランド)は、山口県美祢市に位置する動物公園です。この公園は、広大な敷地内で動物たちが自由に暮らしている様子を間近で観察できるサファリ形式の施設として知られています。1978年に開園し、以来、多くの観光客に親しまれてきました。 動物と展示エリア 秋吉台自然動物公園サファリランドは、サファリエリ...»
海峡ゆめタワーは、全長153メートルのランドマークで、展望室の高さは143メートルです。ここからは関門海峡、瀬戸内海、巌流島、九州の連山、そして日本海を一望できる、下関の代表的な観光スポットです。 海峡ゆめタワーの概要 海峡ゆめタワーは、山口県下関市に位置するランドマーク的な建造物で、1996年7月20日に開業しました。このタワーは、下関市の新たな観光スポットとして、また地域のシンボルとして、多くの観光客や地元住民に愛されています。高さは153メートルで、360度のパノラマビューが楽しめる展望室が設けられています。 展望室と眺望 シースルーエレベーターでわずか70秒で到達する頂上の展望...»
岩国城ロープウェイは、山口県岩国市に位置するロープウェイで、山麓の駅から標高約200メートルの城山山頂にある岩国城天守閣までを結んでいます。全長412メートルの距離を約3分で移動し、錦川や錦帯橋の美しい景色を眺めながら快適に山頂まで登ることができます。 このロープウェイは、四季折々の風景を楽しむことができ、特に桜や紅葉の季節には、観光客に人気があります。定員30名のゴンドラに乗りながら、山の豊かな自然と歴史を堪能することができ、音声ガイドにより岩国の歴史や文化についても学べます。 施設情報 基本情報 全長: 412メートル 定員: 30人 運転時間: 約3分 駅数: 2駅(山...»
俵山温泉は、木屋川上流部の山間部にひっそりと佇む温泉街で、古き良き日本の温泉文化が色濃く残っています。ここには小さな日本家屋の旅館が集まり、静かな環境でのんびりとした時間を過ごすことができます。 俵山温泉は、療養目的の温泉地として国民保養温泉地および国民保健温泉地に指定されており、その歴史は千年以上にも及びます。薬師如来の化身がこの地の霊泉を告げたという伝説があり、多くの人々に愛されてきた場所です。 泉質と効能 俵山温泉の泉質はアルカリ性単純温泉で、特に「町の湯泉」と「川の湯泉」の二つの源泉が有名です。これらの温泉は、pH9.9という高いアルカリ性を持ち、神経痛やリウマチといった症状に効...»
日本海と空が織り成す絶景の地 千畳敷高原は、山口県長門市日置中に位置する風光明媚な草原・台地です。標高333メートルの高台に約26,400平方メートルもの広大な草原が広がり、その北側には日本海が一面に広がる素晴らしい眺望が楽しめます。遠くには「日本海のアルプス」とも称される青海島を望むことができ、この一帯はまさに自然の美しさを堪能できる場所です。 風車と風力発電の景観 千畳敷高原は半島の頂上部に位置しており、この地域では常に強風が吹いています。そのため、風力発電用の風車が複数設置されており、広大な景色の中に点在する巨大な風車が独特の風景を作り出しています。風車が回る様子と広がる海の景色が...»
和洋折衷の魅力的な建築様式 旧秋田商会ビルは、日本の近代建築史において際立つ和洋折衷のユニークな建築物です。この建物は、鉄骨鉄筋コンクリート造であり、地上3階、地下1階に加え、塔屋が設置された独特の構造を持っています。また、屋上には美しい日本庭園と茶室(離れ座敷)が備えられており、都市の中にありながらも、伝統的な和の空間を感じることができます。 社屋兼住居としての特徴 旧秋田商会ビルは、当初から社屋兼住居として設計されました。1階は純洋風の事務所空間となっており、モダンで機能的なデザインが特徴です。 一方、2階と3階は格調高い書院造の住宅空間が広がっており、和の伝統を尊重した設計がなさ...»
旧下関英国領事館は、山口県下関市唐戸町に位置する、日本国内で最も古い領事館用途の建築物です。この煉瓦造の2階建ての建物は、1906年(明治39年)に竣工し、イギリス人の建築技師によって設計されました。その優れた歴史的価値が認められ、1999年(平成11年)5月に国の重要文化財に指定されました。 領事館の設立と歴史的背景 日清戦争後の英国領事館設立 日清戦争後の政治経済的な背景から、駐日英国公使アーネスト・サトウは、朝鮮半島との関係性を強化するために下関に英国領事館を設立することを提案しました。この提案に基づき、1901年(明治34年)に下関に英国領事館が開設され、初代領事にはフランク・ウ...»
松下村塾は、幕末に長州藩(現在の山口県萩市)で吉田松陰が主宰した私塾です。この塾では、吉田松陰がわずか2年半の期間で多くの塾生を指導し、その中から明治維新を主導した人物たちが数多く輩出されました。松下村塾は、日本の近代史において極めて重要な役割を果たし、その影響力は今なお色褪せることがありません。 松下村塾の変遷 創設と初期の歴史 松下村塾は、1842年(天保13年)に吉田松陰の叔父である玉木文之進が開設しました。松陰自身も少年時代にこの塾に入門し、厳格な教育を受けました。当初は八畳一間の質素な建物でしたが、文之進の厳しい指導方針が多くの子弟に影響を与えました。やがて、松陰の外叔父である...»
山口サビエル記念聖堂は、山口県山口市に位置するカトリック教会で、フランシスコ・サビエルの来日と山口での布教活動400年を記念して建てられました。サビエルは16世紀に日本を訪れ、キリスト教の布教に尽力した人物として知られています。 初代聖堂の建立とその意義 1952年、サビエルの来山400年を記念して初代の聖堂が建立されました。この聖堂は、サビエルの生家であるスペインのナバーラ州パンプローナ近郊にあるザビエル城を模したデザインで、多くの市民に親しまれてきました。1980年には、パンプローナ市と山口市が姉妹都市提携を結び、両市の友好関係を象徴する存在となりました。 火災による消失と再建への道...»
湯田温泉は、山口県山口市に位置し、その湯量の豊富さから「山陽路随一の名湯」として広く知られています。泉質はアルカリ性単純温泉であり、肌に優しい柔らかな湯が特徴です。 この温泉は、古くから多くの人々に親しまれ、その歴史は室町時代にまで遡ることができます。温泉の発見には伝説があり、傷を負った白狐がこの温泉に足を浸してその傷を癒したという物語が残されています。 湯田温泉の泉質とその効能 湯田温泉の泉質は、アルカリ性単純温泉で、源泉温度は約63.6℃を誇ります。この温泉の湯は、肌に優しく、滑らかな感触が特徴で、特に女性に人気があります。 多くの温泉施設では、複数の源泉をブレンドした「湯田温泉ミ...»
長門峡は、山口県山口市阿東および萩市川上に位置する全長12キロメートルの美しい峡谷です。この峡谷は、中生代白亜紀に形成された流紋岩質凝灰岩やデイサイト溶岩が阿武川の流れによって長年にわたり浸食され、現在の壮大な断崖絶壁が形成されました。阿武川の上流部に位置し、その壮観な自然美から国の名勝や長門峡県立自然公園に指定されています。 四季折々の景観 長門峡の見所は、その四季折々に変化する美しい景観です。約5.1キロメートルの遊歩道が整備されており、訪れる人々は、阿武川のせせらぎを聴きながら、峡谷に広がる豊かな自然を堪能できます。 春の景観 春には、桜が峡谷を彩り、阿武川の流れと相まって優雅な...»
山口県では「3000年以上も前から食されてきた」と言われる、ふく料理。山口県では「ふぐ」の事を幸せの「福」に縁起をかついで「ふく」とも呼んでいる。刺身、てっさ、雑炊、白子、ひれ酒など様々な形で食されている。安土桃山時代に多くの武士が毒にあたり、以後食用が禁じられていたが、明治21年に総理大臣の伊藤博文が下関市でふく料理を食した際にその美味しさから食用を許可し、全国的に知られるようになった。また、下関市には「下関ふく連盟」が存在し、様々なイベントを通して「ふく料理」を伝え続けている。...»
酢飯と魚の身をまぜたものを木の器につめ、その上を錦糸卵やれんこん、しいたけなどで飾る。同様に何層も重ね、重しで仕上げる押し寿司。一度に5升程の米を用いて作られ、食前にそれを切り分けて食す。発祥は、岩国藩主に命じられ考案された保存食という説や、藩主への献上品といった説などが存在し、別名「殿様寿司」とも呼ばれる。色鮮やかな見た目から祝いの席に喜ばれ、数十年程前までは各家庭に専用の器が存在した。現在でも地元のスーパーや観光客向けのご当地グルメとして、その味が受け継がれている。 山口県の東の玄関口である岩国市は、吉川藩6万石の城下町として栄え、現在もその歴史と文化を伝える数々の遺産を抱え、美しい自然...»
江戸時代中期から続く伝統の製法、「焼き抜き」蒲鉾は、萩の地で北浦沿岸で獲れるエソや小鯛を原料にしています。通常、全国で一般的な蒲鉾の製法は、魚肉をペースト状にし、板に盛って蒸して固めるものですが、萩の蒲鉾は「焼き抜き蒲鉾」の名の通り、蒸すのではなく遠火で焼くことが特徴です。この遠火でゆっくりと時間をかけて焼き上げることにより、独特のプリプリとした弾力と、つややかな肌が生まれます。日本海で獲れた新鮮なエソや小鯛を使用しているため、自然の塩加減が絶妙な魚本来の味わいをお楽しみいただけます。一本一本には職人の技が光り、特別な味わいが詰まっています。...»
「笠戸ひらめ」は、山口県下松市笠戸島の名産。海流の影響で身がひきしまっており大変美味といわれている。天然ひらめの旬は秋から冬だが、現在は養殖ひらめとして管理の行き届いた環境下で飼育されており、年間を通じてそのおいしさを楽しめる。料理としては、姿づくり、焼きもの、煮もの、からあげ、てんぷら、酢物など様々な料理がある。ひらめはふぐに匹敵する高級魚として知られ、肉厚で脂がのり、ほのかな甘さもあり、噛めば噛むほど味わい深い。特に“えんがわ”は絶品。コリコリとした歯触りを楽しめ、寿司でいただくと美味。...»
山口県防府は、鱧(はも)漁でトップクラスの水揚げ量を誇っている。「梅雨の水を飲んでおいしくなる」といわれるハモは、夏の味覚として特に関西で珍重されている。周防瀬戸とも呼ばれる山口県南東部の瀬戸内海海域は、産卵のため回遊してくるはもの好漁場。山口県のブランド魚「周防瀬戸のはも」は小型底引き網漁業やはえなわ漁業で漁獲され、大きなものでは体長2mにも達するという。身は淡泊なようでいて実は脂質が多く、うま味たっぷり。湯引きして梅肉や酢みそで、または酢のものに。照り焼きやから揚げ、しゃぶしゃぶも美味。...»
山口県の冬の味覚、ふぐは最高級食材として知られている。毒があるため、昔は食べることが禁じられていたが、山口県生まれの初代総理大臣・伊藤博文が下関の料亭で食べ、その味に感服し、解禁に至ったのだそう。ただ実際の水揚げ量は意外にも少なく、他県のものが下関に集められ全国に出荷されているのだ。集められるのは、下関がふぐの加工技術に相当の歴史と実績を誇っているから。トラフグが終わる2~4月が本格的なシーズン。包丁技がみごとなふぐ刺しやてっちり、ひれ酒、白子も旨い。贅沢なひとときを彩る食材だ。...»
韓国・朝鮮系の店が並び「リトルプサン」の別名でも知られる下関の商店街『グリーンモール』発祥の鍋料理。たっぷりの野菜と牛ホルモンを味噌ダレで焼き煮込む。日本の味噌と韓国のコチュジャンを合わせた甘辛の味噌ダレが後を引き、箸が止まらない。「とんちゃん」と呼ばれる牛ホルモンを油を使わずに焼き、野菜から出る水分だけで煮込むので、ヘルシーかつ栄養も詰まった一品として人気を博す。野菜は通常キャベツとモヤシが使われる。野菜のシャキシャキとホルモンのプリプリした食感と噛むほどに深まる味わいが堪らない。...»
海に囲まれ新鮮な魚介の宝庫である山口県では、魚肉を素材とするかまぼこ作り古くから盛んである。新鮮なエソ(白身魚の一種)などをすり身にして板に塗り付け、直火であぶり焼きにした「焼き抜き蒲鉾」は、県内で生まれた独自の味。焼き抜きは山口県独特の手法で、蒸すのではなく板の下からじっくりと焼き上げ、焼き色はつけず白く焼き上げるのが特徴。新鮮な魚でなければうまく焼き上がらないという、かまぼこそのものの味を楽しむには、切ってそのまま刺身のように味わうのがおすすめ。わさび醤油などを添えて。...»
山口県吉部地区は、昔海からは遠く寿司ネタを手に入れるのは難しい地域だったが、米と塩は大変美味しいことから、具を入れない「白シャリ(すし飯)」がごちそうとして、江戸中期ころから御祝い事の日などにふるまわれていた。この具の入っていない「白ずし」のことを「ゆうれい寿司」という。加え酢にはゆずを使い、秋祭り、盆、正月にはお客や親戚の人にご馳走して喜ばれていたそうだ。現在は、白身の魚を使う白一色のお寿司や、白シャリの下にかやくずしが隠れているアレンジ版もあるという。 「ゆうれい寿司」は、宇部市(旧楠町)内の吉部地区に伝わる、真っ白な外見が特徴の押し寿司です。この地域は良質な山水に恵まれ、お米と水が美味...»
江戸時代から伝わる郷土料理で、今でもお祝いの席やお祭りで作られる押し寿司。「あんこ」と聞くとつい“小豆”を想像してしまうが、この料理においてのあんこは、野菜などを調理した具財のことを指す。野菜の具を”あん”として、すし飯の中に包み込むように作っているのが特徴である。これにはいわれがあり、昔、米が大変貴重だった時代に、ご飯のかさが増したように見せるために作られたのがはじまりだとか。そうして今も各家庭の食卓を飾るほか、地域のレストランでもいただくことができる。...»
もちっとした粘りと、シャキシャキした食感が魅力のれんこん。昔ながらの農具を使って手作業で掘り取り、泥付きのまま出荷されるため新鮮さも好評。9~5月頃まで全国に出荷されているが、冬場に最も味が良くなるため、年末年始の贈答用としても親しまれている。穴が空いているれんこんは、「見通しがよい」とされ、縁起物として、お節料理にもよく使われる。切り口が出ていないれんこんは、濡れた新聞紙にくるんでビニール袋に入れ冷蔵庫の野菜室へ。皮をむいたものは、変色防止にラップでしっかり包んで冷蔵庫で保存するのが良い。 約200年前、岩国でれんこんの栽培が始まりました。江戸時代、岩国は平地が不足し、海に近かったため、干...»
品種名は「田屋なす」で、山口県長門市田屋地区を中心に栽培されていた山口県伝統野菜。特に重さ500g以上で品質の良い果実を『萩たまげなす』として販売。普通のなすの3~4本分にもなるその大きさから、「たまげる(びっくりする)」という意味で名付けられた。山口県のオリジナル野菜として注目されている。皮は薄く、実は柔らか。とろけるような食感が特徴。収穫は5月下旬から7月中旬まで。1番成りのなすが、地面まで届いた後、さらに成長して地面を押し割る様子を、地元では「地割り」と呼んでいる。 旬 5月 6月 7月 1株から3本~5本しか収穫できない、非常に貴重なナスです。この品種は一般的なものと比...»
下関垢田地区は、肥沃な畑地に恵まれ古くから野菜産地として知られる下関市都市近郊の農業地域。ここで栽培される垢田トマトは、通常のトマト栽培に比べ、水を控え気味に栽培するので、やや小ぶりで果肉が厚く甘いのが特徴。出荷の始めや時期ごとに行われる糖度検査では、甘いフルーツ並みの糖度10度になるものもあるのだとか。生でサラダはもちろん、煮込んだり、焼いたり、ソースにしたりと様々な料理に利用できる。主な出荷時期は3月下旬から6月末頃まで。 旬 3月 4月 5月 6月...»
奈良時代以前に中国から伝わった野菜、ダイコン。山口県で生産されるダイコンの多くは、萩市千石台で作られ、『千石台ダイコン』 または、『(まるせん)ダイコン』という名で親しまれている。萩市むつみ地区の山間部に位置する千石台は、肥沃な黒ぼく土と、冷涼な気候でダイコン作りに適した県内最大のダイコン産地。出荷時期は5月下旬から12月上旬。品種は病気に強い「青首ダイコン」。肉質は柔らかく甘みがあることから、そのまま生で食べても、煮物にしても美味。生産者の全組合員がエコファーマー認定を受けている。 旬 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 ...»
山口県の中山間部に位置する萩市と山口市では、年平均気温は13℃で、夏季でも比較的冷涼な気象条件を活かして、夏秋トマトづくりが盛んに行われている。昭和50年代に雨よけトマト部会が結成されたのが栽培のはじまりで、平成17年には萩市の「高俣トマト」と山口市の「阿東夢(あとむ)トマト」が統合し、新しいブランド「山口あぶトマト」が誕生。中国地方でも最大級の夏秋トマト産地として、市場の評価と期待が高い。出荷時期は7月上旬から11月下旬で、県内はもちろんのこと、大阪や福岡へも出荷されている。 旬 7月 ...»
俳人・種田山頭火も愛したと言われる下関産の伝統野菜。非結球レタスの一種で、韓国の呼び名「サンチュ」と同種。開いた外側の葉から掻き取って収穫するため、“「かき」チシャ”と名付けられた。季節によって葉の色が異なり、霜がふると赤く色付く。シャキッとした歯応えとほろ苦い味わいが特徴だ。赤チシャ、青チシャなど地域によって様々な種類があり、かつては山口県のあちこちで栽培され、家庭の味として親しまれてきた。かきチシャをちぎって酢みそやゴマなどで和える「チシャもみ」は、甘酸っぱいタレとかきチシャの苦味が絶妙に合わさった伝統料理。 旬 12月 1月 2月 3月...»
山口県徳地町の特産品“やまのいも”。その歴史は古く、150年ほど前から佐波川流域の出雲地区で、すでに栽培していたとする記録があるそうだ。“つくねいも”、“仏掌いも”、“いちょういも”などと、時代の経過と共に、呼び名が変わりながら伝わってきたが、現在では総称“やまのいも”で統一されている。見た目は長いもよりもゴツゴツとして丸く、すりおろすと強い粘りがあり、「とろろ」にして食べられることが多いため、トロロイモとしても知られている。澱粉分解酵素(アミラーゼ)が豊富で生で食べても消化が良く、滋養強壮や疲労回復、寝汗などにもいいといわれている。 旬 11月 12月 1月 2月...»
日本の果物の中でも古い歴史をもつ柿。大きく分けて甘柿と渋柿がある。山口県のほぼ全域で栽培されている渋柿の「西条柿」は、古くから中国地方に広く分布している代表的な品種。その栽培歴史は古く、西暦1000年頃から広島県を中心に栽培が始まったとされている。県内では200年以上の古木が多く、萩市では殿様に献上されたとされ、江戸時代には既に県内で栽培が行われていたと考えられている。西条柿の中でも、秋吉台周辺で栽培されている「みとう西条柿」と呼ばれ、味が良いことで好評。 旬 10月 ...»
主な品種は「とよのか」と「さちのか」。程よい甘さと豊かな香りが特長のいちごで、下関市、山口市、岩国市、長門市、柳井市、周南市など県全域で栽培されている。山口県内ではハウス栽培を中心に、12~6月頃まで出荷される。酸味と甘みのバランス、香りの良さが人気。最近では、いちごをテーブルの高さに植え付ける高設栽培の仕方が主流となり、より効率的にいちごの生産ができるようになった。先端部分に甘みがあり、ジャムやドレッシングにしても美味しく食べられる。 旬 12月 1月 2月 3月 4月 5月 6月...»
剣先いかは赤褐色の体から「アカイカ」、または「マイカ」とも呼ばれる。日本海沿岸(北浦)では、春先から晩秋にかけて多く漁獲されるが、8~9月は盛期となり価格も手頃に。活魚でも水揚げされるため、各店舗の水槽で生きている状態を見ることもできる。お勧めは、活きたままの剣先いか姿造り。透明感があって、しっとりとした歯ごたえと濃厚な甘みを楽しむことができる。ゲソは刺身でも、天ぷらでも美味しい。また細作りにした身をご飯にのせたいか丼も人気。低カロリーで栄養もあるので、ダイエット食にも向いている! 旬 8月 9月 ...»
山口県では、アカエビといわれる小型のエビ類は、アカエビ、サルエビ、トラエビ、キシエビの4種類。体長は10cm程度の朱色の美しいエビで、5月頃の旬の時期を迎えると、瀬戸内側で小型底びき網漁業により多く漁獲され、スーパーや鮮魚店で安価で手に入る。 大きめのものは塩ゆでに、なかでも生きの良いものは殻をむいて刺身にすると美味しい。小さめのものは、かき揚げや唐揚げがおすすめ。その他、酢の物やエビ団子など料理のバリエーションが豊富。また、干しエビ、エビせんべいなどの特産品にも加工される。 旬 5月 6月 ...»
三方を海に囲まれた山口県は上質のウニの宝庫で、ふぐ、くじらと並ぶ県を代表する水産品だ。明治初期、下関の六連島(むつれじま)で長期保存ができるアルコール漬けの「うにのビン詰め」が考案されると、またたくまに全国に広まり、からすみ、このわたとともに日本三大珍味に数えられるようになった。現在は、塩加減やアルコール濃度など異なったうにをブレンドすることで、同じビン詰でもさまざまな風味が楽しめる。 平成18年には、その加工技術が認められ、地域団体商標として「下関うに」「北浦うに」が登録された。...»
1年しか生きない魚「あゆ」は、山口県では椹野川(ふしのがわ)など県内各河川の清流に生息。例年4月~5月にかけて放流しており、6月のアユ漁解禁日には、好漁が期待できる。6月~8月が旬。天然と養殖があるが、天然あゆは数量が少なく流通量が限定されているため、一般に市販されているのはほとんどが養殖物。シンプルに塩焼きで食べるのが美味しい。同じ河川の「あゆ」でも、水が綺麗で上質の付着藻類が育つ上流域のものほど味が良いとされる。腸を塩辛にした「うるか」も珍味として喜ばれる。 旬 6月 7月 8月 ...»
さわらの漢字は魚偏に春、と書くが、これは春に産卵のため沿岸へ寄るため人目に付きやすく、「春を告げる魚」という意味であり、山口県の日本海側では美味しくなるのは秋以降。成長するに従ってサゴシ(40-50cm)、ナギ(50-60cm)、サワラ(60cm以上)と呼び名が変わる出世魚でもあり、味は大型になるほど脂がのって美味しくなる。上品な白身の魚で、新鮮なものは刺身が大変美味。その他、照り焼きや味噌焼き、塩焼き、西京漬け、天ぷら、フライなど、くせがないため幅広く料理できる。 旬 9月 10月 11月 ...»